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瞽女唄継承者・金川さんは大学院で縄文「土偶」を麻糸で作る「糸偶」に挑戦

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縄文と現代 麻糸でつなぐ
「糸偶」のアーティスト 金川真美子さん(23)

読売新聞


「糸偶」のアーティスト・瞽女唄継承者金川真美子さん 縄文時代の代表的土製品である「土偶」を、粘土を使わずに麻糸を織り込んで造形する。「糸偶(しぐう)」と名付け、先月、津南町で作品を発表した。土偶が表す女性の体や生命の誕生をテーマにしており、その「柔らかい表現」は美術関係者の間でも評価が高い。
 糸偶を作り始めたきっかけは2011年、縄文時代の編み物「編布(あんきん)」との出会いだった。「時代が縄文から現代につながっているように、布をつくる手法や技術も縄文から現代につながっている」と考え、縄文の象徴である土偶を糸で再現しようと思いついた。
 色糸ではなく、麻糸をそのまま使う。織り方の凹凸のみで文様を描くことで、曲線を一層やわらかな印象にするという。
 昨年、糸偶の原型となる作品を南魚沼市の池田記念美術館で発表した。平和のシンボルであるハトを抱く幼児を羊毛を使って表現した「抱える」には、「平和を離してはならない。抱えるのだ」というメッセージが込められている。また、羊毛で作った胎児の人形を、子宮をイメージした純白の袋で包んだ作品「生まれる」からは、生命を育む女性の尊さが伝わる。
 室町時代から伝わる瞽女(ごぜ)唄の伝承にも携わり、演奏活動に力を入れる。盲目の旅芸人で最後の長岡瞽女と呼ばれた小林ハルさん(1900〜2005)の孫弟子として6歳から瞽女唄を学んだ。
 技を磨き続けた経験が、糸偶作りにも生きている。機織機を使って織り上げることと、三味線で瞽女唄をうたうことは「手と声で表現する違いはあるが、糸と唄とを紡ぎ上げるのは同じ」という。
 糸偶は、縄文時代の火炎土器が出土した津南町の「農と縄文の体験実習館『なじょもん』」で開催中の企画展「縄文咄咄」で展示されている。19日まで。

―記者から―
アイヌ語のユーカラ(叙事詩)をローマ字で書きつづって伝承した知里幸恵(ちりゆきえ)(1903〜22年)の姿と重なる。知里の力で、消滅しかかっていたアイヌ文化が現代に受け継がれた。金川さんの中で瞽女唄と縄文文化が融合しているようで、知里と共通する豊かな感性と創造力を感じた。今後の活動に注目したい。(石原健治)

金川真美子
1988年12月、長岡市生まれ。幼少から瞽女唄を学ぶ。2007年、長岡造形大に入学し、現在同大学院造形研究科修士課程2年。専攻はテキスタイルデザイン。

※「読売新聞 2012/08/12 この人と」(掲載許可済)
※ 農と縄文の体験実習館『なじょもん』企画展「縄文咄咄」は終了しております。

→ 金川真美子さんの瞽女唄をお聴きください。

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