本文へスキップ

新潟県小国町で採話した昔話「鬼の笑い」です。

小国の昔話 第三部/小国の昔話 data


鬼の笑い

粕川 くら

昔あったげろ。あるどこへ昔話じょうずなじさまがあったと。あるどき、じさまが病気になって、死んで、えんま様の前へつれていかれたと。えんまさまが、
「おまえ、家へいた時、何していた」
ときくんだんが、じさは、
「私は、家にいる時、話が上手で、大ぜいの人笑わせたり、喜ばしたりしたんだすけに、極楽にゆかせてもらえますこてねぇ。」
というたと。ほうしると、えんまさまが、
「そらならぬ。おまえのようなうっそばなしばっか人に聞かせて、地獄行きだ。」
といったと。じさまは、
「それは、とんでもない。そんげのこといわんで、極楽にやってもらいたい。」
といったと。えんまさまは、
「じぁ、おれのそばにいる鬼は、生まれてからこの方、一度も笑ったことのない鬼だが、この鬼を笑わせれば、極楽へやってもいい。」粕川くら
というたと。
「それはありがたい。それはわけないことだ。」
というて、じさまは、鬼のそばへよって、何いうたかわからんろも、鬼はその話をきいて、ころんだり、起きたりして、笑ったと。えんま様は、たまげて、
「おまえ、今、この鬼に何いうてこんげに笑った。」
と聞いたら、じさは、
「なに、特別のこといったわけではありません、鬼は、来年のこといえば、そんま(すぐ)笑います。」
というたと。


■「越後の昔話 名人選」CD(全11枚)の頒布について■

新潟県の民話名人選CD

越後の昔話名人選CD
 平成6年以来「語りつくし越後の昔話」と題して、瞽女唄ネットワークは新潟県下各地にお住いの名人級の語り手による昔話を聞く会を開催してきましたが、その録音テープを元に再編集したCDを販売しております。
 優れた語り手による昔話は聞いて楽しいばかりでなく、民俗学的にも貴重な資料となっております。活字でしか接することが難しくなってきた昔話を、語り伝えられた土地の言葉でたっぷりとご堪能ください。
 越後の昔話名人選CDの内容・お申込み方法は、こちらから

ご感想について

この昔話に関するご感想や類似した昔話をご記憶の方は、「お力添えのメール」で是非お聞かせください。


お勧め瞽女の本
ご購入 Amazon.co.jp

<自動表示の宣伝>

瞽女唄ネットワーク事務局

〒940-2145
新潟県長岡市青葉台2丁目
14-10 鈴木宏政方
電話 0258-46-8054